事業主が知っておくべき店舗の内装制限とは

建築基準法上の内装制限について
飲食店やホテルなど不特定多数の人が訪れる「特殊建築物」の他、火を使う建築物などは、火災発生時にできる限り被害を抑えるために、建築基準法第35条の2において「内装制限」が定められています。具体的には以下の四項目になります。
1.特殊建築物(劇場類、ホテル、共同住宅類、百貨店類等)
2.階数が3階以上、延べ面積が千平方メートルをこえる建築物
3.政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物
4.調理室、浴室その他の室で火を使用する設備・器具を設けたもの
制限の具体的な内容については、項目ごとに建物の耐火性能(耐火建築物・準耐火建築物・その他)と階建てや床面積といった規模などによって、規制対象となる内装箇所、その部分の規制内容が変わります。
例えば飲食店舗の場合に、耐火性能が低い「その他」の建築物で「床面積の合計が200平方メートル以上」の建築物ならば、内装規制の対象となる箇所は「居室」と「通路等」の「壁及び天井の室内に面する部分」になります。建築基準法の規定では、居室については「(床面から高さ)1.2メートル以下の腰壁を除く」とされていますが、実は消防法ではこの規定は設けられていないので、壁全面が内装制限の対象となっています。
この内装制限を受ける箇所に何をすればいいかというと、仕上げ材料に「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」のいずれか決められた防火材料を使用しなければなりません。各材料の基準は以下のように定義されています。
〈不燃材料〉……火災発生・加熱開始から20分間は燃えない物(燃焼・変形・溶解しない)、有毒ガス・煙を発生しない物
〈準不燃材料〉……火災発生・加熱開始から10分間は燃えない物(上に同じ)、有毒ガス・煙を発生しない物
〈難燃材料〉……火災発生・加熱開始から5分間は燃えない物(上に同じ)
不燃材料には鋼材、コンクリート、れんが、ガラス、モルタル、漆喰(しっくい)などが認定されています。準不燃材料には石膏ボード(厚さ9ミリメートル以上)などが、難燃材料には石膏ボード(厚さ7ミリメートル以上)、難燃合板(厚さ5.5ミリメートル以上)などがあります。
上記要件の飲食店舗の場合ですと、居室には三つのうちのいずれかの防火材料を使用し、通路には不燃材料か準不燃材料のいずれかを使用します。
地下店舗の場合は、面積などに関係なく壁・天井ともに不燃材料か準不燃材料を使用しなければなりません。この他にも細かく複雑に要件が組み合わされているので、自分が出店する店舗がどれに当てはまるのかをきちんと確認することが必要です。
消防法上の内装制限について
消防法上の内装制限は、基本的には仕上げ材のみを規制対象とし、下地については対象外となります。ただし、クロスなどが下地材との組み合わせによって防火材料の認定を受けている場合は、下地を対象範囲に含みます。
また、先に記述しましたが、建築基準法上では定めがある「(床面から高さ)1.2メートル以下の腰壁を除く」という規定が消防法にはありませんので、仕上げ材については対象となる壁・天井全面に防火材料使用しなければなりませんから、注意しましょう。
消防法上で規定される防火材料は、市場に流通している成形品について、規格基準をクリアした物品には認定表示マークが付けられています。消防法上の内装規制が守られているかどうかは、このマークが付された製品を使用しているか否かで判断できることになります。
また、消防法では「防炎規制」が定められています。これは、火災時の延焼を防ぐために、「防炎物品」の使用を義務付けるもので、政令で定める防火対象物(例えば店舗)では、カーテンやカーペットなどに、政令で定める基準以上の防炎性能を持つ「防炎物品」を使用しなければなりません。壁・天井の内装材料とともに、必ず基準に適合した製品を使用しましょう。
事業者は利用者の安全・安心を第一に
内装制限・防炎規制に未対応、あるいは違反している状態では、そもそも営業が開始できないことになりますし、そのまま営業していた場合には業務停止などの処置を受けることになります。特に不特定多数の人が訪れる特殊建築物は、万が一の火災が起こってもお客様一人ひとりの生命を危険にさらすことのないよう、事業主は常に気を配り続けなければいけません。
そのため、賃貸物件での内装の施工は、事業主の責任において慎重に行う必要があります。しかし、内装制限や防炎規制については、かなり細かく専門的な知識が必要である上、施工範囲も広いことが多いため、内装施工会社の専門家としっかり意志疎通を行いながら出店作業を進めていきましょう。
法令遵守(コンプライアンス)は、今や社会通念上、当然に行われるべきものです。火災が起こって被害を拡大させてから、「知らなかった」では済みません。内装を無許可で好き勝手に変更した結果、内装制限や防炎規制に違反状態となっている事例も現実に存在しています。事業成功のためには、まず利用者の安全・安心が第一であることを忘れずに、起業を進めたいですね。
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